9月3日公開のマーベル最新作「シャン・チー テン・リングスの伝説」を観てきました。
MCU(マーベル・シネマテック・ユニバース)は2019年(コロナ前!)に「アベンジャーズ/エンドゲーム」からの「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」で、「アイアンマン」(2008年)から始まった11年越しの大河ドラマがいったん終了しました。全部で23作品。
僕も劇場ないし配信で23作品全部追っかけていましたので、大団円を迎える2019年の「エンドゲーム」では映画館で何度も涙したものです(スパイダーマンは後日談的な感じ)。
その後MCUはコロナ禍でのお休みを経て、今年から新しいフェーズ(フェーズ4)に入りました。今回の「シャン・チー」はその試金石ともなるニューヒーローの誕生譚です。
主人公、ヒロイン、ヴィラン、ほぼ全てがアジア系、中華系の俳優が演じていて、今やハリウッド映画でも無視できない中国市場を露骨に標的にしてきたなあという印象。
「HERO」とか「グリーン・ディスティニー」を彷彿とさせる美しい舞踊のような演武、CGで盛大に補正されたジャッキーチェン的肉弾戦、MCU映画というより「レッドクリフ」のような中国の大作映画といった面持ちです。
主人公シャンチーを演じるシム・リウはおっさん顔ですが笑顔が好印象でちゃんとヒーローしてましたし、ストーリーも単純なものの最後まで飽きさせずにみせてくれました(○めはめ波にはワロタ)。
ただちまたで喧伝されるような「傑作」かどうかは疑問かな。
全体的に大味で、あっと驚くような展開も特になく、ヒーローやヴィランのかっこよさに痺れるシーンも、美しいヒロインに心奪われるシーンもなし(トニー・レオンとミシェル・ヨーの踊るような演武は美しかったですが)。ホロリとさせるシーンもありますが、ちょっと書き込みが足りず感情移入しきれない感じ。
せめてシャンチーの妹、シャーリンがもうちょっと魅力的だったらなあ、と惜しい(まあ好みの問題でしょうけど)。
とはいえ、MCUの場合は単体で評価できない部分もあるので、フェーズ全体で後につながるパーツとして押さえておくのが正しい見方でしょう。アジア人ヒーローの誕生はめでたいということで、今後の活躍に期待しましょう(でもフェーズ4はドラマにも派生してるんで全部追える自信なし…)。
ちなみに、おなじみエンドロール後には次の映画に繋がるシーンが2回あるのでお見逃しなく。
ところで庵野映画で多少持ち直してきたとはいえ、日本映画の特撮技術は中国や韓国やインドなど他のアジア映画に比べて二周ぐらい遅れてるのはなぜなんでしょうね。
「シャン・チー テンリングスの伝説」★★★(MCUファンなら)